定款とは何か?

 

会社を設立するには、必ず「定款」を作成しなければなりません。

「定款」とは会社の組織や運営に関する基本的なルールです。
つまり会社における憲法のようなものです。

定款は会社の最も重要な規則を定めたものですから、法律の規定によって株式会社を設立するには、その要件である「定款」を作成しなければなりません。

 

定款を見ると,その会社の事業内容や会社の創業者は誰なのか?といった会社の根本にかかわることがわかります。

 

 

1.定款に記載しないと無効になる「絶対的記載事項」

 

「接待的記載事項」と呼ばれる部分の記載がないと、定款は無効になります。

以下に記載したものが「絶対的記載事項」になります。

 

①会社の商号

②会社の目的

③本店所在地

④設立時の出資額または最低額

⑤発起人の氏名,住所

⑥発効可能株式総数

 

 

2.記載しないと効力が発生しない「相対的記載事項」

 

「相対的記載事項」には

①現物出資

②株式の譲渡制限

③発起人が受ける報酬

④財産引受

などがありますが、けっこう重要な項目ですね。

 

 

3.定款に記載してもしなくてもいい「任意的記載事項」

 

「任意的記載事項」には

①事業年度

②定時株主総会の開催時期

③株主総会の議長の定め

などがあります。

 

通常、「事業年度」「役員の数」「広告の方法」などは定款に記載します。

 

 

 

【失敗しない会社設立ポイント】

必ず定款に記載しなければならない事項に注意する

自分だけのルールを持つ定款は専門家に相談

 

 

 

 

 

 

 

会社設立に必要な費用は?

 

1.自分ですべてやれば約30万円・・

 

以前に比べると、株式会社の最低資本金の規制が撤廃されて資本金1円から設立できたり、定款の電子認証ができますから設立費用もだいぶハードルが下がりました。

そうはいっても・・・

〇公証役場の定款認証料 5万円
〇定款印紙 4万円
〇印鑑セット 1.5万円
〇登録免許税 15万円
〇会社謄本等書類代 3千円

以上、約26万円はかかります。

 

これらの費用だけではなく、交通費や通信費など雑費がかかります。

自分だけですべて手続きしたとしても、30万円ぐらいは用意しておきたいところです。

 

 

2.プロの専門家に依頼すると・・

 

会社設立の専門家に依頼すると。その手数料が必要です。

すべて依頼すると、その事務所によって違いますが7万円~12万円かかります。

 

しかしながら、費用はかかっても何度も役所に行く手間は省けますし、疑問点は解消するまで相談に乗ってもらえます。

そしてなにより失敗しない“会社設立”ができますね。

 

 

3.定款電子認証なら節約できる・・・

 

公証役場には「定款電子認証」というサービスがあります。

電子認証には「電子証明書」が別途必要になりますが、一回の会社設立手続に初期費用として購入するのももったいない出費です。

 

そこで専門家に依頼するメリットとして、収入印紙代4万円節約できるメリットもあります。

依頼する費用から収入印紙代4万円を差し引けば、数万円の出費で済むことになりますね。

 

 

【失敗しない会社設立ポイント】

すべて自分で手続きする場合でも30万円は用意する

役所に行ったり来たりする時間と手間はけっこう面倒

専門家に依頼すると、4万円節約できてとことん相談できる

 

 

 

 

利益計画を立ててみよう・・・

 

売上予測と共に大事なのが仕入計画です。

売上-仕入=売上利益 なので、売上を上げるか,経費を下げるかで利益が出るわけです。

FAQで販売計画と売上予測を少し話しましたので,ここでは仕入や経費についてみていきます。

 

 

1.仕入計画

 

仕入契買うといっても下記の項目を明らかにしていけば良いのです。

 

①何を

販売計画に沿った商品・サービスや主力商品等を明確にします。

 

②どこから

①で決定した商品をどこの仕入先から調達するのか決めましょう。

必要なタイミングで適正なロットを,そして品質と価格を考えながらかつ安定供給できる仕入先を決めます。

今まで経験してきた業種で開業するのでしたら、何件か仕入先も当てがあるかもしれませんね。

 

③どのような条件で

現金払い、買掛金払い、手形払いなのかサイトは何日に設定するか?

ここで大事なのが、売上金の支払サイト=得意先の支払サイトで売上の入金があるわけですから、仕入の支払サイトも十分考えて取引する経営者の姿勢が重要です。

 

仕入先を選ぶ条件も、価格の安さばかりに目を向けがちですが、商品の安定供給やその会社の提案力などもチェックポイントです。

 

 

②.経費計画

 

仕入計画が決まったら,次は仕入計画です。

経費計画は売上高の変動に関係なく毎月一定額が発生する「固定費」と、毎月売上によって変動する「変動費」に分けてみると良いでしょう。

 

固定費は、毎月支払う家賃や人件費などで、変動費は、原材料費や販売管理費等でしょうか。

事業計画の販売計画に経費計画を垂らし合わせて,利益の見通しを検討していきます。

 

また、事業主の生活や借入の返済なども計画通りできるかどうか検討します。

可能性がきわめて低かったなら、無理をせずに事業計画から考え直す勇気も大事です。

 

 

【会社設立運営の成功ポイント】

販売計画と損益計画を比較する

経費計画は固定費と変動費に分けて検討する

利益計画に事業主の生活費、借入の返済なども勘案しよう

 

 

 

 

会社設立書類を提出する役所を調べよう・・・

 

いよいよ最終段階です。
株式会社設立手続をする役所を確認しましょう。

株式会社の設立に関する役所は、「公証役場」と「法務局」になります。

 

 

1.「公証役場」を調べる

 

「公証役場」は会社の定款認証に利用する役所で,各都道府県にあります。

定款の認証を受ける公証役場は,会社の本店所在地と同じ都道府県にある公証役場を利用することになっています。

 

例えば東京都で株式会社を設立するときには、八王子市の公証役場でも、立川市の公証役場でも、府中市の公証役場でも、東京都にある公証役場であればどこでもかまいません。

ですから、会社の本店所在地か代表発起人が、都合が良い最寄りの公証役場を見つけましょう。

 

 

2.「法務局」を調べる

 

会社の設立登記の際に利用する「法務局」を確認しましょう。

法務局は公証役場と違って、管轄が決められています。

設立する会社の本店所在地の住所を管轄する「法務局」を調べておきましょう。

 

 

3.失敗しない株式会社設立手続は・・

 

会社設立のために役所を何度も行ったり来たりした。という話はよく聞きますが、必要最低限の相談のための往復を覚悟して何度か足を運ぶことが、実は失敗しない確実な方法です。

 

しかしながら、住宅の購入といっしょで,何度も会社をつくる人はそう多くはいません。

時間の制約があって確実に会社設立をしたいときや、何度も公証役場や法務局に足を運ぶのが不得手の人は、会社設立手続のプロである行政書士か司法書士等に相談・依頼したほうが安心ですね。

 

 

【会社設立の成功法則ポイント】

株式会社設立手続の専門家である行政書士に依頼する

自分で設立したい人は、管轄の公証役場、法務局を調べて教わろう

 

 

 

 

会社の印鑑をつくろう・・・

 

商号(社名)が決まり、問題なく使えることになったら、会社の印鑑を作ります。

会社の印鑑には3点セット呼ばれる、「会社代表者印」、「銀行印」、「角印」があります。

 

 

1.絶対必要なのが「会社代表者印」

 

株式会社を設立すると,必ず必要なのが「会社代表者印」です。

これは会社の実印とも呼ばれているもので、絶対につくる必要があり、法務局に「会社代表者印」として登録の届出をしなければいけません。

 

外側に会社名が入り,内側に代表取締役印と刻まれています。
大きさは3cmの正方形に収まるものになります。

 

この代表者印は個人の実印同様たいへん大事なもので、株式会社設立後も使用します。

会社と会社、または会社と個人が契約書などを作成するときに押印する重要な印鑑ですね。

 

 

2.資金(キャッシュ)の出し入れに使用する「銀行印」

 

会社が銀行に株式会社の法人口座を開設するときに使用するのが「銀行印」です。

銀行印は会社の売上や仕入、従業員の給与などを入出金するときに、銀行との取引に使用する大事な印鑑です。

 

1つの印鑑で預金が引き出されたり、勝手に契約がなされてしまうリスクを防ぐためにも、極力「会社代表者印」とは別に「銀行印」をつくっておきましょう。

 

 

3.請求書や領収書などに使用する角印

 

3つめにあったほうが断然便利な会社の印鑑が、「角印」です。

角印は、会社の日常業務に使う印鑑で、領収証、納品書、請求書などに使用します。

 

この角印は、法律的にはつくらなくてもOKですが、会社の日常業務用としてぜひつくっておきましょう。

 

もう一つ用意しておきたいのが、住所、会社名、代表者名、電話番号などが記載された「ゴム印」です。

法人化された階部式会社は、書類の作成が増えますから、あると会社の事務が効率的ですね。

 

 

【会社設立成功法則】

「会社代表者印」は必ずつくりましょう

実務に必須な「銀行印」、「角印」、「ゴム印」も用意する

 

 

 

会社設立に必要な役所書類を集めよう・・・

 

以前に比べて株式会社設立のための書類はだいぶ簡素化されました。

発起人や取締役になる方の個人の「印鑑証明書」が必要になりますので、前ページまでの会社の基本事項が決定できたら、印鑑証明書を集めましょう。

 

1.印鑑証明書を用意します。

 

「印鑑証明書」とは、市区町村の役所で個人が発行してもらうもので、本人の実印であることを証明してもらうものです。

印鑑証明書を発行してもらうには、印鑑登録をする必要があります。
簡単に言えば、個人が最寄りの役所で適当な印鑑を登録すると、それが実印となります。

 

原則として、会社設立のための書類には、この登録した実印を使用することになりますので、実印がない発起人や取締役の方は、印鑑登録申請を済ませておいてください。

実印は重要な法律行為(契約書など)に使用するものですから、紛失しないように十分注意して保管してください。

 

 

2.印鑑証明書の注意ポイント

 

印鑑証明書の実印として登録する印鑑は、「8ミリ以上、25ミリ以内」という規定がありますので注意してください。

また、印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内のものが必要で、設立申請をする日から逆算して3ヶ月以上の日付のものは、株式会社設立のための書類としては使用できません。

 

誰の印鑑証明書が何通必要かの確認ですが・・

①公証役場では出資する発起人の人数分

②法務局では取締役になる方の人数分

になります。

 

 

【ミスしない会社設立ポイント】

印鑑証明書がない発起人や取締役はすぐ印鑑登録する

発行から3ヶ月過ぎた印鑑証明書は使えない

 

 

 

資本金の額と株主を決めよう・・・

 

株式会社は設立にあたって株式を発行します。
原則として株式の額面が資本金になります。

それでは資本金と株式について解説します。

 

1.資本金の額の決め方

 

①運転資金から資本金額を決める

必要な運転資金の概算を見積もって、そこから資本金を決めていきます。

必要資金のステップでも言いましたが、会社はすぐに売上を上げて利益が出るわけではありません。

ですから例えば、1箇月分の必要経費を計算して,その6倍(半年分)または12倍(1年分)の運転資金を資本金として準備します。

 

こうしておけば、すぐに運転資金が底をついて事業主が個人で穴埋めするようなことはなくなります。

もはや個人事業ではないのですから、このように準備して資本金の額を決定しましょう。

 

②社会的な信用度から資本金を決める

資本金の額は全部事項証明書(登記簿謄本)に記載されますので、資本金の額がある程度多いほうが社会的な信用度は高くなります。

 

特に大手企業と取引をする場合には、取引時に資本金が1つの判断材料となります。

 

 

2.1株の額面を決め、株主を決定する

 

資本金の額が決定したら、1株当たりの価格を決めます。

一般的には,1株の価格は5万円とすることが多いようです。

 

1株の額面を決めたら、次は発起人が何株引き受けるかを決定します。

発起人が1名の場合は

1株の価格×発行株式数=資本金の額

となり、株主は発起人1人ということになりますね。

 

複数の発揮人がいるときは、資本金の額を決める前に1株の価格を決めてからそれぞれの発起人が何株引き受ける決めていってもいいでしょう。

その後、それぞれの発起人が出資する額を銀行などの金融機関に振り込むことになります。

実際には、出資金を振り込むのは公証役場で定款作成が完成してからになりますので、ここでは資本金の額と発起人が何株引き受けるかを決定しておけば良いでしょう。

 

 

 

株式会社の機関設計をしよう・・・

 

会社の役員構成などを決めることを「機関設計」といいます。

株式会社はその規模・実体によって柔軟な機関設計ができます。機関とは会社を運営する人のことです。

機関設計にはたくさんのパターンがありますが、大きく分けて3パターンに分けられます。

みなさんの現状に合わせて最適なものを選びましょう。

 

1.自分ひとりで会社をつくる

 

会社設立を考えたときに、最初に想定できるのがこの形態ですね。

自分で資金を出資して、自分1人で取締役になるケースです。

 

まずは小さなビジネスから始める場合や個人で事業をやっていた方が株式会社をつくるケースがこのパターンです。

このケースでは,取締役が1人なので自動的にその取締役が代表になって、取締役会は設置しません。
一番シンプルな会社設立です。

 

2.会社を複数でつくる

 

取締役が複数名就任して、取締役会を設置しない機関設計です。

小さな株式会社をシンプルかつスピーディに運営したい人向けです。

 

個人で事業を行っていた人が株式会社を設立して、法人化するときに奥さんや家族も役員に就任させる場合や、友人が共同出資をしてビジネスを始めるケースなどが当てはまりますね。

尚、取締役2名以下の場合は法律で取締役会を設置できません。
取締役会を設置するには、最低3名の取締役が必要で、監査役も1名必要になります。

 

3.取締役会を設置する(取締役3名、監査役1名)

 

最後3つめが取締役3名と監査役1名で取締役会を設置する会社の機関設計です。

株式の譲渡制限会社を選択した会社は、取締役会の設置は任意ですが、しっかりとした合議制の会社作りをしたいという場合は、このパターンが良いでしょう。

前述したように取締役会の設置には、取締役3名、監査役1名が最低必要ですね。

 

 

【株式会社設立の成功法則】

3つの機関設計から自分に合ったものを選択する

役員を選ぶときは細心の注意を

 

 

株式譲渡制限会社を選択しよう・・・

 

株式会社の株式は、原則として自由に譲渡することができます。
株主が会社に出資した分を回収できるように、株式の譲渡を原則自由(株式譲渡自由の原則)としています。

 

でも、日本のほとんどの株式会社は、家族的な経営をしている中小・小規模企業です。

ですから、あまり自由に株式を譲渡されると、会社経営にとってあまり好ましくない外部の人が、自由に経営に口出しすることになったり、場合によっては、せっかくつくった会社が乗っ取られてしまう危険もあります。

 

 

1.株式譲渡制限会社にしよう

 

日本のほとんどの株式会社は、株式に譲渡制限をつけています。

これは定款で、「株式を譲渡するときには会社の承認を必要とする」という文章を定めることです。

 

こうしておくことで、経営に参加して欲しくない他人に経営権を握られずに会社経営を行えます。

多くの日本の中小企業は、この譲渡制限会社を選択して,より安全に会社経営を進めることができるのです。

 

 

2.具体的な記載方法

 

「この会社は、譲渡制限会社にする」と決めておけば十分なのですが、もう少し具体的に一例を挙げると、定款に「当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。但し、当会社の株主に譲渡する場合は、承認をしたものとみなす。」 と記載します。

 

尚、譲渡制限会社にすると、取締役の任期が最長10年まで延長できますので、小さいな株式会社をシンプルに経営したいという人は、株式譲渡制限会社にすると良いでしょう。

 

 

 

【小さな会社の成功ポイント】

 

株式譲渡制限会社を選択することは、小さな会社が成功するポイント

株式譲渡制限会社にするには、定款作成時に決める

 

 

 

 

事業年度(会計年度)を決めよう・・・

 

会社が利益を得ているかどうかを計算する区切られた一定の期間のことを「事業年度」(営業年度、会計年度、会計期間)といいます。

事業年度は1年以内であれば自由に決めることができます。

でも何も考えずに決めると後で困ることもあります。
注意点をみていきましょう。

 

 

1.事業年度をどのように決めるか

 

事業年度の最終日を決算日といいます。決算は特に理由がなければ年1回にしましょう。

年1回でなくても、2回でも3回でも可能ですが、煩雑な決算手続は最低限必要な年1回でいいでしょう。

 

事業年度は自由に決められます。
毎年4月1日から翌年3月31日でも、7月1日から翌年6月30日でも問題ありません。

ただし注意が必要なのは、例えば3月決算の会社を2月20日に設立すると、初年度は1箇月ちょっとの3月31日までになってしまいます。

こんなに短い事業年度であっても、決算申告する必要が出てきてしまいます。

 

ですから、会社設立月の直前の月を決算月にすれば、初年度の決算手続はまるまる1年になります。
2月10日に会社を設立登記するなら、2月1日から翌年の1月31日までを事業年度にするということです。

 

 

2.その他の注意点

 

①2月を決算月にすると・・

よくある3月決算に横並びにしなくて良いということはわかったと思います。
ですが、2月決算にするのは注意が必要です。

2月にはうるう年という年があり、定款を作成するときに、「毎年3月1日から翌年2月末日まで」という文章を記載しなければなりません。

 

②忙しい月を決算月にしない・・

自分が行うビジネスに繁忙期がある場合は、比較的暇な時期を決算月にしましょう。

棚卸商品がある業種では特に、棚卸作業が簡単になりますし、決算作業に時間を取られても業務に支障があまり出ないでしょう。

 

③専門家の意見を聞く・・

会計業務を行政書士や税理士に任せている場合は、その専門家の意見を聞いておきましょう。

もちろん3月決算の会社であっても引き受けてもらえるでしょうが、3月は特に決算月の会社が多く、個人の確定申告も重なりますから、専門家も繁忙期になります。

会社設立の段階で少し時期をずらすほうがスムーズでよく見てもらえることもあるかもしれませよ。