定款に広告の方法を記載する・・・

 

1.広告とは何か

 

広告とは一定の事項を広く社会一般に知らせることです。

会社の広告方法には・・

①官報(法令などを国民に知らせるために発効する国の機関紙)に掲載する

②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載

③電子公告によるもの

のいずれかを定款で定めることができます。

 

会社の広告方法は定款の相対的記載事項(定款に記載しなければ効力が認められない事項)です。

定款に定めのない場合には、官報に掲載する方法になります。

 

例えば、会社が③の電子公告による公告とする場合でも、事故その他やむを得ない事由によって電子公告できないときには、①または②による方法で広告すると定めることができます。

尚、広告の方法は法務局で登記する必要があります。

 

 

2.電子公告の制度について

 

電子公告とはインターネットを利用し、不特定多数の人が広告内容について情報提供を受けることができる制度です。

電子公告を選択した会社は、定款に電子公告を広告の方法とする旨を記載します。

 

電子公告を採用した会社は、広告内容の情報提供を受けるときに必要となるウェブサイトのアドレスなどを登記しなければなりません。

 

電子公告をしなければならない広告期間は、以下の通りです。

①特定の日から一定の期間前に広告しなければならない場合は、その特定の日まで

②決算公告の場合は定時株主総会の終結日から5年を経過する日まで(貸借対照表などの計算書類を広告する場合)

③広告を定める期間内に株主や債権者が異議を述べることができる旨の広告をする場合には、その期間が経過する日まで

④その他の広告の場合は、広告を開始してから1箇月が経過する日まで

 

会社は電子公告の期間中、きちんと電子公告がなされているかどうかについて、調査期間の調査を受けなければなりません。

しかし、決算公告で財務諸表等を広告する場合は、例外的に調査機関の調査を受ける必要はありません。

 

また、予期できない事故やサーバーの保守点検などによって、公告期間中に広告が一時的に中断した場合でも、会社に正当な理由があるなど一定の要件を満たすときには、広告の効力に影響はありません。

 

 

【小さな会社設立の成功ポイント】

会社設立時の広告方法は3つある

電子公告の制度について知っておく

 

 

 

 

定款に設立にかかる費用を記載する・・

 

1.設立にかかる費用とは

 

設立費用とは発起人が会社設立のために支出した費用のことです。
例えば、株主の募集にかかった広告費や事務所を借りた賃料などが設立費用になります。

 

会社が成立する前に、株主の募集や事務所を借りたりするのは発起人です。

ですから発起人がこのような設立に必要な費用を支出することになります。
でも、設立費用は会社設立にかかった費用ですから、設立後に会社が負担すべき費用です。

 

そこで、発起人は立て替えた設立費用を成立後に会社に請求することができます。

 

 

2.発起人は設立費用を無制限には請求できない

 

もし発起人が無制限に設立費用を会社に請求できるとすると、会社が不当な請求をされるかもしれませんし、高額な負担を負うことになるかもしれません。

 

そこで、設立費用についても厳格な扱いがなされています。

きちんと定款に記載し、検査役(弁護士等)が調査します。

なお、定款認証のための手数料や払込金融機関の手数料、そして法務局の登録免許税については、発起人の権限濫用の危険がないので設立費用に含まれません。

 

主な設立費用は以下の通りです。

 

事務所費、事務所移転費、保証金、通信設備費、事務所設備費、事務所工事費など

 

 

【小さな会社の成功ポイント】

発起人が負担した設立費用は会社に請求できる

定款に記載し、調査が必要

 

 

 

発起人の報酬、その他特別利益の記載・・・

 

1.発起人の報酬について

 

発起人は会社の設立のために労務をつくしたわけですから、そのことに対して、報酬を受け取ることができます。

報酬は会社の成立後に、現金でまとめて支払われます。

 

報酬を発起人が自由に決定できるとすると、会社に対して過大な支払いを請求する危険があるます。

 

そこで、定款の記載例のように、発起人の受ける報酬額を定款に記載しなければなりません。

そして、その金額について、裁判所が指定する「検査役」(弁護士等)の検査を受けなければ無効であるとされています。

 

 

【定款の記載例】

 

(発起人の報酬)

第〇条 発起人〇〇〇〇に対する報酬は金〇〇万円とする。

 

 

2.特別の利益

 

発起人の受ける「特別の利益」についても、定款に記載して、検査役の調査を受けなければいけません。

 

特別の利益とは、発起人が会社設立の企画者としていろいろなし遂げた成果に対して与えられる特別の財産的利益のことです。

 

報酬の場合と同じように、発起人が自由に決定できるとすると、会社に対して不当な損害を与えることになる危険があるため、厳格で公正な手続をしなければならないとされています。

 

 

【小さな会社の成功ポイント】

発起人は会社設立について報酬を受け取ることができる

ただし、もらいすぎにならないようにチェックされます

 

 

 

現物出資をする場合・・・

 

資本金は現金ではなく「物」で出資することができます。これを「現物出資」といいます。

現物出資によって計上された物は、現物出資した本人から発起人の代表者に譲り渡されることになります。

お金で出資した方が簡単ですが、手持ちの現金が不足している場合など、手持ち資産を活用出来るメリットが有ります。

 

しかし、現物の客観的な評価のため、裁判所が選任した検査役(弁護士、公認会計士等)の調査が必要ですが、その分多額の費用と数ヶ月の日数がかかります。

そのための処置として、現物出資を避けるか、検査役の調査が不要となるケース(要件)があります。

実務上は、検査役の調査が不要な範囲で現物出資するのが賢明です。

 

 

1.検査役の検査が不要なケース(要件)

 

①現物出資財産額が500万円以下の場合

②現物出資財産が市場価格のある有価証券で、定款に定めた価額が市場価格を超えない場合(算定方法は法律の規定による)

③現物出資財産について、定款に記載された価額が相当であるという証明を弁護士、公認会計士等から受けた場合

 

 

2.現物出資する場合の流れ

 

①出資する現物の時価を取締役が調査

②定款に出資する現物、価格、出資する人などを記載

③現物価格が相当であると取締役が証明する「調査報告書」を作成

④出資者からの財産の「財産引継書」を作成

 

 

3.現物出資する場合の定款記載

 

①現物出資をする者の氏名又は名称

②現物出資の目的たる財産

③その価額

④出資者に対して与える設立時発行株式の数

 

 

4.その他

 

その他として、現物出資する場合は「財産引継書」のほかに、「調査報告書」の作成が必要になります。

 

 

【小さな会社設立の成功ポイント】

現物出資は「物」が特定できることが大事

現物出資の手続は煩雑でお金もかかるので、どうしても資本金を大きくしたいときに限る

 

 

 

資本金を払い込む・・・

 

定款の認証が終わったら、次に「資本金の証明」を作成します。

“資本金の払い込みの流れ”は以下のの通りです。

 

 

①発起人の個人口座を準備する

 

②発起人全員が発起人代表の口座に資本金となるお金を振り込む

 

③表紙や振込がわかる通帳部分のコピーを取る

 

④「払込証明書」を作成し、通帳のコピーと合わせる

 

 

1.「払込証明書」を作成し、添付書類とする

 

「資本金の証明」は、会社の資本金が金額通りに存在するということを証明するものです。

登記申請書の1つとして法務教へ提出します。

 

資本金を銀行口座へ振り込んで、記帳した通帳のコピーを使用するか、銀行に発行してもらった残高証明を使用するか、2つの方法がありどちらでもかまいません。

 

資本金の振込先は発起人の個人口座です。

発起人が複数いる場合は、代表を1人決めてその代表者個人の口座に振り込みます。

 

新規の口座を開設しなくても大丈夫ですが、注意する点がいくつかあります。

 

振り込むときには預け入れで振り込まないようにしてください。

たとえ発起人が1名で、自分自身の口座に振り込む場合でも、会社の資本金がきちんと振り込まれていることを証明しなければなりません。

 

具体的には、通帳の記帳面に振り込んだ人の氏名、金額、日付が印字されるようにします。

発起人が複数名いるときには、それぞれ出資した出資額の合計が資本金の額になっているように注意してください。

 

 

【失敗しない会社設立の成功ポイント】

発起人の名前がわかるように振り込む

振込額は資本金の額と一致する

 

 

 

定款の備え置きと閲覧について・・

 

1.定款の備え置きと閲覧

 

会社は定款を本店(本社)と支社に備え置かなければいけません。

株主と会社の債権者は、営業時間内であればいつでも定款の閲覧または投射を請求することができます。

 

定款を書面で作成した場合と、電磁的記録(データなど)で作成した場合では、定款の閲覧や投射方法に違いがあります。

 

 

2.定款を書面(紙)で作成した場合

 

①書面で作成した定款の閲覧請求

定款原本の閲覧ができる

②書面で作成した定款の謄本(定款写し)または抄本(一部を抜粋した定款の写し)の交付を請求できる

定款の写しが交付される

 

 

3.電磁的記録で作成した場合

 

①電磁的記録で作成した定款の閲覧請求

その記録について、法務省令で定める方法で表示したものの閲覧を請求できる

パソコンに記録された定款をプリントアウトして閲覧するか、ホームページに掲載して閲覧することができる

②会社が定めた電磁的方法で提供する、または記録内容を記載した書面の交付請求できる

パソコンに記録された定款をプリントアウトしたものを請求するか、またはホームページに定款を掲載するか、あるいは電子メールで通知することを請求できる

 

 

【失敗しない会社設立ポイント】

株主や会社の債権者は定款を閲覧できる

会社の謄本(全部事項証明)ではわかない部分も確認できる

 

 

 

 

 

 

 

公証役場で定款の認証を受ける・・

 

次は定款の認証ですね。

定款を法的に有効にするには,公証役場で定款の認証を受けなければなりません。

 

作成した定款を、場所を調べた公証役場へ持参して定款の認証を受けます。

 

 

1.定款の認証とは?

 

株式会社を設立するには、さまざまな手続が必要です。

株式会社の設立手続では、定款の作成が最も大事な作業です。

 

定款を作成したら、発起人がそれに署名(電子署名)または記名押印します。

これで定款自体は完成です。

 

次に法務局で会社設立の登記手続をするのですが、申請の際には定款を添付します。

その定款には、必ず公証人の認証を受けていることが前提になっています。

 

 

2.公証人とはどんな人かな?

 

定款の認証は公証人が行いますから、公証役場へ行き認証の依頼をしなければいけません。

 

公証人とは、30年以上の実務経験を持つ法律実務家の中から、法務大臣が任命する半官半民の性質を持つ公務員で、公証役場の職務を行っています。

公正証書(法律に従って作成する公文書)を作成したり、確定日付の付与(契約の日付を証明すること)などを行う権限を持っています。

 

官公署へ提出する書類を作成したり、契約書作成を行う権限を持つ行政書士と似ていますね。

 

 

3.公証役場へ行く前の準備

 

公証役場へ行く前に、重要な確認事項として定款の絶対的記載事項(書かなければいけない事項)が記載されているかどうかチェックします。

同一住所に同じ商号がないかどうか(商号調査)。

 

特に事業目的は公証役場に提出する前に、法務局でチェックしてもらうと良いでしょう。

公証役場では定款の内容までチェックしてくれるわけではありません。
内容に関しては自分で責任を持って作成してください。

間違った事業目的で認証されてしまうと、法務局で申請後に指摘されて、定款の作り直しが必要になることになりかねません。

 

公証役場へ持っていくものは、定款3通と発起人全員の印鑑証明書です。

念のため持参できるのであれば、実印も持っていきましょう。

 

手数料は、収入印紙4万円分と認証手数料が5万円、それに謄本手数料がかかります。
この4万円の収入印紙は、電子定款を利用した場合は必要ありません。

 

 

4.定款の審査

 

依頼を受けた公証人は定款を審査します。

法律の規定によって必要な事項に漏れはないか、発起人の記名押印がなされているかどうかなどを審査します。

 

問題がなければ定款に「認証文」がつけられます。

紙で作成された定款には、定款に認証分が記載されます。
電子定款の場合は、電子データで作成された定款に公証人がデータで認証します。

 

 

 

【会社設立の成功ポイント】

定款は認証を受けたら、簡単には変更できない

特に事業目的は事前に行政書士等に相談する

発起人全員で行けないときは委任状を作る